【彼氏、捨ててやります】
「それもちゃんと話すから、まず聞いてくれよ」
「言い訳でも、…なんでもすれば」
涼は黙り込んだかと思うと、おもむろに携帯をだしてどこかに電話をかけた。
「もしもし、綾人?俺の担任と、杏奈のクラスの担任に俺と杏奈、遅刻って伝えといて」
『お、おう。それは全然いーけど…杏奈ちゃんのことこれ以上傷つけんなよ?』
「うっせー、余計なお世話だっての。じゃ、よろしく」
電話の相手はだれか知らないけど
ほんと、勝手な奴。
遅刻していいなんて一言も言ってないし。
「そのかわり、ちゃんとほんとのこと、話してよ」
ああ、と頷く涼を横目に、近くの公園にあるベンチに腰を下ろした。
例年に比べ異例な今年の寒さで、ベンチは少し凍りついている。
ひんやりとしたベンチに座ってから、少し経ったころ。
涼は、少しずつ話し始めた。
「俺がお前以外の女と関係持ったりしてたのは…ほんと幼稚な理由だけど、お前に妬いて欲しかったから。関心もってほしかったから。それだけ」
…………え?
「杏奈は人のことにいちいち口出してきたりしない奴で、そこがいいところだってゆーのはわかってた。けど…お前が俺に関心なくなってるのはこんな俺でもわかったから」
「………なにそれ。
浮気してたのは、わたしのせいだっていいたいの?
関心なくなったってなによ‼︎」
「だから‼︎…違うって」