私の悩み…



四神の呪文を唱える声に力が入って来てるのが解った。


兄と姉の中に巣くってた邪を全て追い祓う為に四神は隅々に自分達の力を兄と姉に注いでるのが解った。

苦しむ兄と姉を救うにはこれしか方法がない…

私はまた瞼を伏せ集中するとまた頭の中に文字が浮かびそれを唱え始めた。

兄や姉の精神が手から伝わって来る。



頑張って元に戻る!


二人の意志が伝わって来る。



私は兄と姉に頑張って!と言い思いながら呪文を唱えた。



私の中に光が射し…



阿彌陀如来様?お釈迦様?


いや違う…


千の手を持つ千手観世音菩薩様だ…



兄と姉の頭に手を乗せ何か?を唱えそしてそのまま消えて行った。

あれは?

あれは一体なに?


私はまた夢でも観てるの?
それとも幻?


そう思った。



でも兄と姉はもう苦しんでは無かった。



瞼を開き兄と姉を観ると白い光と朱い光の中に二人は包まれてた。そして私達を包み込む様に藤色の光が被さり何とも言えない光に成っていた。




【もう…。よいであろう…。】


鎧が言うと一斉に四神は呪文を止め印を解いた。





< 189 / 270 >

この作品をシェア

pagetop