イジワルな君に恋しました。
だけど、自分で言って恥ずかしさが倍増したから誤魔化そうとお弁当を開ける。
「陽菜ちゃんはそんなに俺を見たいんだね。嬉しいな」
突然、その声が耳に届いたのと同時に私の背中に温もりを感じる。
私の首には男らしいしっかりとした腕が回されている。
驚いて顔を上げると、嬉しそうな顔をした奥村先輩と至近距離で目が合う。
「えっせんぱ……あれ?どうして?」
プチパニックを起こす私に、普段と変わらない先輩。
「陽菜ちゃんと花香ちゃんを迎えに来た。一緒にお昼しよ?」
そのためにわざわざ1年の教室まで来てくれたんだ。
嬉しい……。
「ほら、弁当持って」