イジワルな君に恋しました。
真っ直ぐに大希くんを見ている、いや、睨んでいる先輩。
大希くんもこちらを睨んでいるように見える。
先輩と付き合ってから、大希くんをあまり意識しなくなったから、同じ空間にいても見ることはなかった。
だからすごく久しぶりな気がした。
大希くんを見ていると、一瞬目が合うけどすぐに逸らされた。
そのことを気にも止めずに、私は先輩と花香ちゃんと一緒に教室を出て屋上に向かった。
「おっす、遅かったな」
屋上につくと、寝転んでスマホをいじっている前田先輩がいた。
前田先輩に会うのは、海で遊んだ時以来だ。
「お、陽菜ちゃん久しぶり。翼とイチャイチャしてるか?」
「え、っと……」
挨拶のように聞いてくる前田先輩に、どう返答すればいいか困る。