イジワルな君に恋しました。
『午後の部の第一種目に出場する人は、入場門に集合してください』
先輩にされるがままになっていると、そんな放送が流れた。
そのおかげで我に返る。
もう戻らなきゃ!
「せんぱ……んっ」
声をかけようとしても、しゃべることができない。
少ししてからやっと開放される。
「陽菜すげぇかわいい。
これで最後まで頑張れる」
私の頬を撫でながら優しい笑顔を向ける。
いつも通りの先輩に安心する。