イジワルな君に恋しました。
「先輩、頑張ってくださいね!」
「ありがとう」
グランドに来て私を救護テントまで送ってくれた。
先輩はニコッと微笑んでから、入場門の方に歩いて行った。
先輩の後ろ姿を見て、笑みが零れる。
救護テントの前の方に行き、椅子に座る。
ここでもけっこう見えるからよかった。
怪我人もいなさそうだし、ゆっくり奥村先輩を見ておこう。
入場門あたりを見ながら、競技が始まるのを待っていると、隣の椅子が引かれ誰かが座る。
「あ……」
ってやばい!
思わず声が出て、口を両手で押さえる。