イジワルな君に恋しました。
白雪姫のメインでもある、王子のキスで目覚める白雪姫のシーンなんだけど。
大希くんが愛おしそうに『姫』って呼んで、私の頬に優しく手を添えるんだ。
思わず心臓が跳ねてしまうんだ。
心臓だけならまだしも、同時に肩も跳ねるからムードがぶち壊しになる。
「ちょっと休憩にしようか」
その声で、私はすぐに廊下に出る。
教室で練習をしていたけど、クラスメイトに見られて恥ずかしすぎた。
なぜか衣装係や大道具の人も見に来ていたから、いつもの練習の時よりも人が多くて余計に緊張した。
本番はもっとたくさんの人に見られるのに、こんなんでやっていけるのか……。
「陽菜、大丈夫?」