恋愛授業
美希は呆れたように溜め息をついた。

『いい?鈴は下院明音から来月のテストの宣戦布告をされたのよ?』

『うん、それで?』

『まぁ、あんたに限って下院明音に負けることはないわね』

『そうなの?』

『万年1位が何を仰るのですか?』

『美希も万年1位じゃん』

『それは鈴のおかげだもん』

『私はただ、教えてるだけ。自分のものにするかは本人次第だから』

美希は私が教えたことを直ぐに覚えるからこちらとしても教えるのが楽しい。

『あ、そういえばお兄さんは元気?』

『知らない。てか、知りたくもない』

『なんでよー』

『以前より、シスコン度が増してきてうるさい』

そう…兄は自覚してる重度のシスコンで毎日、何かと絡んできてうるさいのだ。

『そんなに?』

『なんでも"鈴の目覚めからおやすみまでを見守るのがお兄ちゃんの務め"とかハートが見えそうなオーラで語ってきた』

『でも、そういうお兄さんも素敵じゃない!』


『あんなやつの何処が素敵なのよ』

いつもべったりくっついていて、毎回、お風呂まで付いてこようとする。

< 5 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop