ひねくれ作家様の偏愛
「なっ!なに!?」


情けなく狼狽し、叫ぶ私。
久しぶりな濃厚接触に、頭はパニックになる。


「ほら、腰周り、こんなに薄い。やせてますよ」


海東くんの吐息が首筋にかかる。
声が直接身体に響く。
濡れた髪の雫が私の首筋に落ちた。


お湯で温められた海東くんの素肌が私に熱を与え、否応なく4年前の夜が思い出された。


海東くんの腕。
海東くんの声。
甘い吐息。
二人の心臓の音。


気付くと私の全身は震えていた。

自分でも止められないほど、手足ががくがくと震える。


これはなに?
恐れ?

じゃあ、私は何に恐れを抱いているんだろう?

男としての海東くん?


それとも……瞬間、湧き上がるこの感情?

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