ひねくれ作家様の偏愛
②
ひとりベッドに転がり天井を見つめる。
外はいまだ雨が降っている。
何時間も前に帰った海東くんの存在感がまだ部屋から消えていない。
私は抱き締められた感触に震える。
思い出すことが多すぎる。
海東くんと関係を持ったのは、今から4年2ヶ月前。
4月の肌寒い夜だった。
彼に指定された通り、初めて夜に彼の部屋を訪れた。
本当に何の余分な会話も挟まず、シャワーを浴びた。
海東くんがシャワーを浴びて出てくるまでが、気が遠くなりそうに長かったのを覚えている。
初めて入った彼の寝室。
メガネを外し、ベッドの上に座り、向かい合った。
外では振り出した雨が乱暴に窓を叩く。