ひねくれ作家様の偏愛
①
パーティーを撤収した後、海東くんの部屋に向かった。
インターホンで応答はなく、合鍵で中に入る。
真っ暗な部屋に彼が帰った形跡はない。
私はソファにかけ、待ちの姿勢に入った。
蒸し暑い室内。
窓を開けると海からの風が心地いい。
真っ暗な部屋の中、コンテナ倉庫と海の灯りを頼りに彼を待った。
次に気が付いた時は、夜が明けていた。
寝てしまっていたようだ。
スマホに連絡はない。
海東くんには何度もかけているけれど、返信はない。