ひねくれ作家様の偏愛
想い続けた桜庭千弥と付き合うようになって半年。

俺と彼女の関係は良好と言っていいと思う。

平日はそれぞれ仕事をし、週末になると俺の家へ彼女がやってくる。
二人で料理をしたり、お台場近辺を散歩したり。
恋人同士らしくベッドの中で過ごす週末だってある。

最高に望んでいた日々が手に入った。


仕事はお互い順調だ。

俺は『ともし火』での初めて連載を終える。
それとは別に、会議で通った一作を単行本で出す企画も進んでいる。

大手の出版社からも一件声がかかり、そちらでも来月から連載が決まった。

アプリゲームのシナリオはコンスタントにこなしている。

俺の創作活動が順調なのは、千弥さんには嬉しいことらしい。
急ぎの仕事で週末もパソコンに向かう時も、彼女は甲斐甲斐しく世話を焼いてくれ、上機嫌で俺の仕事終わりを待っている。

そして見てもいい原稿なら、『見せて見せて』と寄ってくる。

彼女は俺のファン。
それは、付き合った今でも変わっていない。
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