ひねくれ作家様の偏愛
子どものように目をキラキラさせて俺の書いた文章を読む彼女を見ていると、こっちは欲望を抑えるのが苦しい。
横にいる男がめちゃくちゃにキスしたいと思ってるなんて、彼女は考えもしないのだろう。

ずっと、好きだった人。
やっと手に入った人。

がっついて余裕ないところを見せたくない。
ただでさえ、俺の方が4つも年下なんだ。


彼女をリードできるくらいの大人になりたい。
彼女にもっと夢中になってもらえるような男になりたい。


「そのためには、まあ仕事だな」


俺は呟き、リビングに引き返す。

来月から始まる他社の連載は、来週後半の締め切り分まで出来上がっている。

ライナーワークからの新作単行本は第二校のチェック中。締め切りは来週前半。

アホの飯田から頼まれているアプリゲームのイベント分は……、頭の中には出来ているから今日の午後で書ける。
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