ひねくれ作家様の偏愛
それから顎を仕事場のドアに向かってしゃくって見せる。
「部屋に出来てますよ」
ほほう、自分で取りに行けと。
そういうことですか。
例の窓のない仕事場に入るとPCのキーボードの上にプリントアウトされた原稿があった。
恋愛シミュレーションらしいタイトルが表紙に書きなぐられていた。
横にデータの入ったフラッシュメモリもある。
私はそれを手にリビングに戻る。
「飯田に渡すね。連絡が来るから、改めて打ち合わせして」
「こんな安っぽいアプリゲームのシナリオ、直すとこなんてないでしょう」
担当だろうが口出しさせないのは、彼の流儀。
海東智は自分の書くものに絶対の自信を持っている。
私はわからないようにため息をついた。
社内中が彼を持て余していると、海東くんは知っているだろうか。
「ところでコレはどこに置けばいいのかな」
私はスターバックスの紙袋を持ち上げて見せた。
中には海東くんのリクエストで本日のコーヒーがふたつ。
「部屋に出来てますよ」
ほほう、自分で取りに行けと。
そういうことですか。
例の窓のない仕事場に入るとPCのキーボードの上にプリントアウトされた原稿があった。
恋愛シミュレーションらしいタイトルが表紙に書きなぐられていた。
横にデータの入ったフラッシュメモリもある。
私はそれを手にリビングに戻る。
「飯田に渡すね。連絡が来るから、改めて打ち合わせして」
「こんな安っぽいアプリゲームのシナリオ、直すとこなんてないでしょう」
担当だろうが口出しさせないのは、彼の流儀。
海東智は自分の書くものに絶対の自信を持っている。
私はわからないようにため息をついた。
社内中が彼を持て余していると、海東くんは知っているだろうか。
「ところでコレはどこに置けばいいのかな」
私はスターバックスの紙袋を持ち上げて見せた。
中には海東くんのリクエストで本日のコーヒーがふたつ。