ひねくれ作家様の偏愛
私が彼の元へ差し入れを届けることはよくあるけれど、いつもダイエットコーラばかり飲んでいる彼にしてはめずらしいリクエストだ。
海東くんは目の前のテーブルをコツコツと叩いた。
ここへ置けという意味らしい。
偉そうに。
今に始まったことでもないけれど。
紙袋からまだ熱いコーヒーを出して、テーブルに置くと、海東くんがそれを自分の前と向かいにひとつずつ置き直した。
そして向かいのソファーを手で指し示す。手のひらを上に向け、慇懃な態度で。
「どうぞ」
「は?」
「桜庭さんとお茶でもしようかと思いましてね」
そう言って、海東くんはコーヒー代なのか千円札を向かいのコーヒーカップの下に挟んだ。
「悪いけど」
遠慮する、と言いかけた。即座に言葉をかぶせられる。
「次の作品の打ち合わせをしましょう」
私はわかりやすく嫌そうな表情をしてしまった。
海東くんは目の前のテーブルをコツコツと叩いた。
ここへ置けという意味らしい。
偉そうに。
今に始まったことでもないけれど。
紙袋からまだ熱いコーヒーを出して、テーブルに置くと、海東くんがそれを自分の前と向かいにひとつずつ置き直した。
そして向かいのソファーを手で指し示す。手のひらを上に向け、慇懃な態度で。
「どうぞ」
「は?」
「桜庭さんとお茶でもしようかと思いましてね」
そう言って、海東くんはコーヒー代なのか千円札を向かいのコーヒーカップの下に挟んだ。
「悪いけど」
遠慮する、と言いかけた。即座に言葉をかぶせられる。
「次の作品の打ち合わせをしましょう」
私はわかりやすく嫌そうな表情をしてしまった。