ひねくれ作家様の偏愛
女子としてはレベルの低い私が見せるわずかな警戒心。
それは彼もわかっているはず。
やはり無頓着なのか、わざとなのか海東くんは譲らず言った。
「絶対に来てください。来てくれるなら、次に書こうとしてるもののプロットをお見せします。あんたの望む打ち合わせっぽいことは、触りくらいなら応じましょう」
「海東くん、土曜は……本当に無理だよ」
「あんたは俺に書いてほしいんでしょう?」
海東くんはここ一番の殺し文句を口にする。
私は詰まった。
ええ、書いてほしいですとも。
海東智の才能を信じ、彼の作品を溺愛している一番のファンは、私なんだから。
私は了承のため、やむなく頷いた。
見せる気なんかなくたって、私はとっくに弱味を握られている。
彼の作品を誰より望んでいるのは私。
その願いはきっと、彼の我儘なんか軽く凌駕するだろう。
それは彼もわかっているはず。
やはり無頓着なのか、わざとなのか海東くんは譲らず言った。
「絶対に来てください。来てくれるなら、次に書こうとしてるもののプロットをお見せします。あんたの望む打ち合わせっぽいことは、触りくらいなら応じましょう」
「海東くん、土曜は……本当に無理だよ」
「あんたは俺に書いてほしいんでしょう?」
海東くんはここ一番の殺し文句を口にする。
私は詰まった。
ええ、書いてほしいですとも。
海東智の才能を信じ、彼の作品を溺愛している一番のファンは、私なんだから。
私は了承のため、やむなく頷いた。
見せる気なんかなくたって、私はとっくに弱味を握られている。
彼の作品を誰より望んでいるのは私。
その願いはきっと、彼の我儘なんか軽く凌駕するだろう。