ひねくれ作家様の偏愛
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あれから4年と少し。
海東くんに仕事の依頼が来なくなったことに理由があるわけではない。
彼が特段何かしたということでもない。
彼の嫌な性格だって理由には値しないだろう。
強いて言うなら時流だ。
彼の作風が受けた時代が早々と過ぎていった。
それだけなのだろう。
そして、悪いことに海東くん自身はまだそれを受け入れられていない。
自分が一度終わっているとはどうしても思いたくないのだ。
海東くんのシナリオライターとしての才能は尽きていない。
そう信じる一方で、小説を書かせたいと願い続けるのは私のエゴだろうか。
海東くんにどんなカタチでもいいから、創作を続けてほしい。
乙女ゲームのシナリオだっていい。
文学小説だっていい。
いつか、それをきっかけに再びゲームシナリオの世界にカムバックできるように、私が舞台を整えておきたい……。
そんなエゴという名の夢が私を支えている。
だから、私は海東くん本人以上に、彼に書くことを辞めさせたくない。
結果を残してほしいと望んでしまう。