ひねくれ作家様の偏愛
「以前、シナリオを手伝ったドラマのプロデューサーさんに呼ばれて、飲んでたんですよ」


「あ、そうなんだ。新しい仕事になるといいね」


どん、と大きな音をたて、海東くんがデスクを叩いた。


「あんたには関係ない」


「……確かに」


やはり、海東くんの機嫌は悪いようだ。
気詰まりすぎる空間に、私は遠慮がちに言葉を放つ。


「打ち合わせ、する?用事ないなら帰るけど」


「飯田さんと付き合ってるんですか?」


不意にきた想像だにしない質問に、私は驚いた。


「飯田と?私が?」


海東くんは振り向かない。だけど、背中から不穏な空気が伝わってくる。


「付き合ってないよ。ただの同期だし。飯田ロリコンだし」


「てっきりカップルでかばい合ってるのかと思いましたよ」


かばい合う?どういうことだろう。
飯田の妙な態度も関係しているのだろうか。

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