わたし

事件

山崎ちゃんが、例の年下の彼氏と別れた。
結婚願望が強かった、山崎ちゃんには、年下の彼は物足りなかったのだろう。


「私、実は、会社辞めるんですよ~」

ネホリハホリつついてやろうと誘った、パスタランチを食べ終えて、山崎ちゃんは言った。


「マジで?もしかして、寿?!」
年下彼と別れたばかりだけど、山崎ちゃんなら、ありえるかもと半ば思いながら聞いてみた。


「ネイルの学校に行くんです」
と言って、山崎ちゃんは、コーヒーにミルクを注いだ。

「ネイル?」

「はい。ホントは、高校出て、短大じゃなくて専門に行きたかったんですけどね。
親に反対されて…。
だから、自分で行けるようになるまで、頑張ってたんですよ~。」

そういって、ミルクの小瓶を私の方に向けてくれた。


「彼と別れたのも、良いキッカケでした。無駄にならないように、何か頑張りたくなって。」

「そっか。」

とっても人気のパスタのお店だ。
お昼のランチは、種類も豊富で、デザートも付く。

でも私は、もう来ないと思う。

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