わたし
「はるかちゃん、またモスコ?」
「はい。私、好きなんですよ。」


今日のモスコは、あまり味がしない。
炭酸もあまり効いてない。

「はるかちゃんって、何の仕事してんの?」「普通の事務ですよ。井上さんは?」
「普通の営業だよ。」
井上さん…
確かにカッコいいかも。
でも、何か型にはまってるかな…

「あ、ちょっと席立ちますね」
「あぁ、後ろ通れる?」
「はい」

背中に置いてたバックを肩にかけて、トイレに立った。
今日の酒は、悪酔いしそうな味がする。
とりわけ、不味いワケでもないけど、こーゆー日が、たまにある。
赤くなった、頬を水で冷やして、ドアを出た。


「うわっ。びっくりした!」
「ごめん、ごめん。
変な所で待ち伏せしたね。」
「ふふふ。」
「あのさ、携帯教えてくれない?」


そうして、またメモリーだけを増やした
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