さよならの季節
「あのさ、いつも朝に焼津駅で見かけるよ。ぼくは、三郷祐司って言うんだ。君は?」


「…あ、私は、柏原結花です。私も、朝見かけるなあって思ってたの。こんなところで会うなんて想わなかった。あの、、、いつもここで弾き語りをしてるの?」


「う-ん、土日はだいたいやってるかなあ。少しでも多くのひとに見てもらいたいからさ。こっちの方がいいでしょ。焼津より。」

「たしかに(笑)」





私は信じられなかった。

毎日、見ていた君が、私のことを覚えていて、しかもこんなところで出会うなんて。

君のことをもっと知りたい!

私は、そう、強く想った。




「結花ちゃん。よかったらまた聴きに来てよ。もっと君とも話がしたいし。今日はもう遅いから気をつけて帰りなよ。それじゃ、また明日。」





夢のようだった。
もっと話がしたいだなんて。

私は、嬉しさのあまり半泣きで帰宅した。


かみさま、めがみさま、ありがとう!!!!!
< 10 / 14 >

この作品をシェア

pagetop