好きだよ。
「ぅ、あ……。」
見えない彼女の顔。
……何が、許してくれる、だ。
もう、彼女はここにいない。
あの、笑顔を見ることも。
あの、声を聞くことも。
全部……全部できない。
許してくれる、筈がない。
こんな、彼氏とも言えない奴と。
彼女は、付き合っていたんだ。
……同情、する資格なんてない。
そう、涙を流していると肩を優しく叩かれる。
見ると、彼女のお母さんが。
「……これ、あの子が事故にあったあと、大切そうに抱き締めていたもの……。」
と、あったのは俺の好きな店の紙袋。