笑えるサンタ
「夏美って言います。この間舞台拝見させて頂いて、直ちゃんに無理言って来てしまいました。すみません。」


ニコッと笑って

八重歯を見せた。


僕は気を取り直した。


圧倒されたと思われたくない。


「直也さんから話は少し聞きました。絵本作家だそうで。」



僕はなんともつまらない話方をししたな
と、言ったそばから少し後悔した。


僕が圧倒されたのは
彼女の身なりがどうとか
化粧がどうとかでは無くて

絵本作家のイメージとかけ離れていた事と
余りにもハキハキしたしゃべり方。
勢いに乗って誰とでも話せそうな振る舞い。


僕が努力して作り上げた
「人見知りしない術」
なんて足元にも及ばない。

彼女は天性の
「人見知りしない女」
なんだ、きっと。

古い言葉だと
ネアカって感じかな?


これが、努力でどうにかなってるものなら凄いな・・・。

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