初恋しました
硬直して動くことができないわたしに、木嶋くんは笑って額に唇を押し付けた。
柔らかくて、温かい感触。
さっきと、おんなじ……
「え!?笹本さんっ」
へなへなと足の力が抜けて、わたしはペタンと床の上に座り込んでしまった。
顔から、火が噴き出しそうなぐらい熱い。
だって、何度も何度も触れたものは木嶋くんの唇だったわけで。
好きな人にそんなことされて、平静でいられるわけがない。
「笹本さん、大丈夫?」
木嶋くんはしゃがみこんでわたしと視線をあわせる。
そんなところも優しさを感じてキュンとくるけど、今はそれよりも羞恥が強くて。
わたしは何も言えずにただ視線をさ迷わせる。
「俺は、笹本さんを困らせてばかりだね」
その言葉にえ、と思っておずおずと視線を木嶋くんとあわせる。