# E X O
読んでた雑誌は下に置いてて、
彼女の手は俺に伸びてる。
手繋げってこと??
わからんよ
「なに」
わあ、我ながら本当に無愛想!
『カイ、なんかあった?』
「なんで?」
『さっき、帰ってきた時なんか無理して笑ってるような気がしてさ』
「大丈夫」
なんか、見透かされてる気がして
慌てて目をそらす。
『カイ…無理して笑わなくていいんだよ』
「大丈夫…」
『疲れたときは疲れたっていって』
「大丈夫だよぉ……っ」
『カイ…』
大丈夫、なんて言いながら
手を広げて待ってる君の上にまたがって
君の肩に顔をうずめる。
そっからはもう涙が止まらなくて。
『カイ…無理しないでね』
「……う、っ、…うぁあ…」
よしよし、って背中を撫でられたらまた涙が次から次へと出てくる。
『カイ〜泣かないで〜』
「(うんうん)」
声にならない声でうなずく。
いつもごめんね、
俺ばっかり世話かけて。
明日からまた頑張るから。
一番綺麗に、華麗に、踊ってみせる。
「好き。」
『カイ急になにーー』
「好き。」
『あたしも好き』
「知ってる」
『変なの』
もう一回、肩に顔をうずめて
マークをつける。
「俺頑張る」
そう言ってキスしたら照れる彼女が
可愛くて可愛くて、
やっぱ俺には
君しかいないから。