深夜26時はキミと一緒に、
数分後

俺が再び自販へ行って缶コーヒーを買い、戻った時__

ちょうど資料室から出てくる早苗先生の姿に俺は、目を瞠った。

何と、資料室から出てきた彼女の腕は、とても高く積まれた資料の数々を支えていたのだ。


か細い、華奢な腕には負荷がありすぎる。

「早苗先生!俺、運びますよ。それ、貸してください。」


「あ、大丈夫ですよこれ位。どうってことないですから。」

な、どうってことないだって?
その細い腕に入っている筋から、嘘だと悟った。

「いや、運びますから、何処に運ぶんですか。」

早苗先生に持つ資料に手を伸ばす。

「ホントに大丈夫ですよ!心配ないですって。」

そう言った早苗先生は、それらを守るかのにように体をひねり、俺の手が届かないようにした。


その刹那_________


早苗先生は足首をひねって…ぐらりバランスを崩した。
彼女から離れたそれらは、紙吹雪のごとく宙を舞う。


「ぅ、わぁッ??!!」


俺はその光景を見て、右手から缶コーヒーが離れていくのに意識が廻らなかった。


「……危ない!!!、」


早苗先生の背中を支えようと手を延ばした瞬間____





部屋全体が一瞬で闇に包まれた。

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