深夜26時はキミと一緒に、
「さぁーて!酒の追加どーする??!!」

「こっちはビール生3つ!」

「俺、焼酎水割り1つ!」

ビールにも少々飽きてきたし、焼酎を頼む。
すると他の先生に渋いなぁ、と茶化された。


数分後

…焼き鳥を食べながら焼酎でも一杯やろうかと手を伸ばしたところ、どうもそのグラスが見当たらない。

可笑しいな、誰かが間違えて飲んだのか?


ふと隣を見ると、早苗先生の両手にはそれが握られていた。

「_______?!」

…なッ?!これはまさか、まさかの………??

何と彼女の握るそのグラスはあと数センチで唇に触れてめでたく間接キs…いやいやそうじゃなくて、待ってそれは俺の…!


「ぁ、ちょッ…待って」

遅かった。

何食わぬ顔でグラスを口に運ぶ彼女の横顔を、俺はまるで白雪姫が毒林檎をかじる瞬間かのように見ていた。

…おぅふw

この期に及んで間接キスしちゃったとか考えてる俺の思考回路はまさしくアホだ。

ここまで来ると、おそらく水と勘違いして飲んでるつもりなんだろうなー、何も知らない彼女は焼酎のグラスを一気に空にした。

もし今彼女が白雪姫と同じく倒れて永遠の眠りについたら、俺がキスして助けたい、が現実はそう甘くない。

「あの早苗先生…それって俺の、

「店員さぁ~ん!な、生大ひとぉ~ッつ!!」

………ゑ???????

俺は目の周りでの出来事に目を瞠った。


俺の言葉を遮り、呂律が回ってるのか否か分からないような大声で生大を注文したのは、あの早苗先生だったのだ。

マジかよ………。
周囲も、早苗先生の豹変っぷりに驚いて一気に静かになった。
いや、まぁそりゃもの静かな早苗先生が、いきなり大声で生ビール大ジョッキで注文すれば誰でも驚くよな、普通。

しかも、酔っ払いみたいな声で。

皆が混乱して言葉を失っている中で、小田先生が口を開いた。

「…ぁー、あっちゃ~!いやー早苗は酒に弱い上、酒癖メチャわりーんだよ。......…まぁ、皆気にせず飲んでて。」


…これが気にならないで居られるか、ッつー話だ。
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