深夜26時はキミと一緒に、
「あの、早苗先生。送ってきますよ。ちゃんと歩けます?」

「らぁーいじょうぶですよォ~。ちゃんとー帰れますぅ。」

ここまで人格を変えることができるとなんて…
改めて恐るべし、アルコール。

呂律の回ってない声で話す彼女は、思い切り足元がフラついていて見てるこっちが辛い。

最初は肩を貸して歩こうかと思ったが、現状そうもいかなさそうだ。
仕方ないな…。

「背中、乗ってください。」

早苗先生に背を向けてしゃがむ。つまり、おんぶするしかない訳だ。

「へ?」

「いいから、早く。電車逃しますよ!」

「ぃ、いやぁ~、いいですってぇ!悪いですよぉ、そんなのー。」

ほぉ、酔っていても最低限の遠慮はするらしい。
だが、今はそんな遠慮は要らなかったり…。

「いいですから!もう、早く!」

「ぇえ~はぃ…。重いですよぉ。」

俺の背中に早苗先生の体がのし掛かる。


何だ、全然軽いじゃないか。
そう思いながら立ち上がり、せっせと歩き始めた。

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