バレンタイン当日、



準備万端、あとは恭平先輩を呼び出して
告白するだけ…。


大丈夫、あれだけ練習してきたんだから
きっと先輩もわかってくれるはず!!


朝から落ち着きなど忘れたかのように、
はしゃいでる瑠那は、
まだまだ寒い季節の中で
心だけはほっこりと暖まっていました。







お昼休み…


瑠『ハァー…緊張するな~。
降られたら怖いよ…。』

阿『それは大丈夫だよ、瑠那美人だし♪』

瑠『ハー?どこが…』

直『無自覚かよ…こえー。』

阿『とりあえず、ファイト!!』

瑠『うっ、うん…。』



キーンコーンカーンコーン


あっ、移動教室だ…。
行くか…。




ガヤガヤザワザワ

ガヤガヤザワザワ


女子トイレを通り過ぎようとしたとき、
聞きなれた声が瑠那の耳に届いた…。

『……でさ。……だよね。』


それは、

里美だった。



この頃見かけないなと思ったら、
授業サボってトイレで
たむろっているらしい。

里『……瑠那がさ……。』

突然聞こえた自分の話に耳を傾けた…。

里『あの子も馬鹿だよね、私なんかのため
に罪被っちゃって、どんだけ偽善者ぶっ
てんだか…。マジ親友ごっこ疲れるんだ
けど…。』






聞かなければ良かった…。

自分の無力さに涙が溢れそうなのを
必死で止めた…。


直『瑠那………?』


!?

直『どうした……?なんかあった…?』


私は今できる最高の作り笑いを
直樹に向けた…。

瑠『ううん、何でもないよ…。
授業に遅れちゃうから先に行くね。』

直『…あっ、おい…。』

何か言いかけた直樹を無視して走って教室に向かった…。

直樹や阿里沙は私と里美との出来事を
知っているから、心配かけたくなかった。
私がこの事を話せば、
直樹は暴れるだろうし
阿里沙は凶器を学校に持ちかけない…。
それほど、理解してくれるから
迷惑はかけたくない…。




これは、私の問題だから…。


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