~Reo side~

俺のなかには凶暴な“獅子”が眠ってる。

自分でも恐怖するぐらいに…

そんな自分を受けとめられる奴は
何処にも居ない。

同じ族仲間の連中でさえも
受けとめきれないでいる。





だからか、

この凶暴な怪物を逃亡させない為に
俺は誰にも心を許さない…。






だけど、それでも
俺の中に存在する怪物を忘れさせてくれる
存在がいる。

それは会ったこともない、
夢の中の“少女”の存在。




俺は女なんか信じねぇし、
性欲処理にしか思ってねぇけど…


その少女だけは特別なんだ…。




夢の中じゃそいつは
悲しそうな瞳で
今にも目の前の闇に
飛び込もうとしていた。

俺はただ離れたところから
そいつを見ているだけで、
体が石のように動かないでいる。

俺は唯一動く右手で
そいつを掴もうと必死で腕を伸ばすけど
あと少しのところで届かない…。

余りにも無力な自分に苛立ちと悔しさと
刹那さで涙が溢れてくる。

すると、

そいつはこっちに振り向いた…

綺麗な瞳で俺にこう言う











「私さえ居なければ…。」










何時も此処で目を覚ます。



目には涙がつたっていて、
嫌な汗が背中をつたっていた…。

『またこの夢か…。』






何時かこの少女に会って
俺がそいつを闇から救ってやるんだ…。




居るかもわからない
少女に俺は心を惹かれていた。









高校の入学式が始まる…


学校行くか…



桜の花が綺麗に咲き誇り
新しい時が始まろうとしていた。

真っ黒な髪に銀のピアス
綺麗な黒い瞳に誰もを魅了する容姿…

この男は、
四神龍聖会、青龍の総長。
又、龍崎組のじき組長

“龍崎レオ”


< 26 / 41 >

この作品をシェア

pagetop