『…次はお前の番。』


ふてくされながらも確かに
名乗ってくれたから、ここは言った方が
良いよね。





『……………瑠那…。』




結構な沈黙のあとポロリと
溢すように呟いた。


瑠那…瑠那…瑠那…




男は何度も復唱して覚えようとしてた。



瑠那の中でこの男は自分を害する危険人物だと直感的に思えた…。
絶対に関わってはいけない、
嫌なことに捲き込まれてしまう…

そう思えた。




『あの…じゃあ私は此処で…
『待て』





ここから一刻も離れたくて言ったのに、
何故か止められた…。

そしてこの男から吐かれた言葉に
驚愕した…。







『…何故、お前の目は闇に染まってるんだ…。』

















誰にも見抜けなかった
この綺麗なように見えて
濁った汚い瞳をこの男は見抜いた。








私はこの男を恐怖の対称にしか
出来なくなった。

ただただこの男が怖い…。

無意識に震え出したこの細すぎる体は
恐怖の余り、自分を見失わせた。



『……の』

『は?』

『だからっ………あんたに何がわかんの!!』





頭に血が登るのが分かるのに
気持ちは激しさを増していった。



『……アタシガワルイ…全部私が!!





イヤーッ!!!!!!!!』





ごめんなさい、ごめんなさい、ごめん…



ずっと瑠那を静観してたレオは
異変に気づいて瑠那に呼び掛けたが
全く聞こえてないようだった。

すると、

瑠那は叫び声をあげ出したので
そっと優しく抱き締めると
首筋に思いっきり手槍を入れた。

ダラリと力なく倒れた瑠那の体を
優しく抱え込み抱き上げると
屋上へ向かった…。




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