そんなこんなで夏休みにはいり、
私は無事金管部に入部出来ました。

夏休みの部活の練習はほぼ毎日行われ
私もようやく部活の仲間と打ち解けていけました。



部活仲間は皆優しくて、
こんな私でも仲間のように接してくれました。

ですが、


部活仲間とは別で
いつも皆とは離れた場所で1人ポツンと
した人がいました。

『ねぇ、あの子も誘ってお喋りしようよ?』

その子の姿を見かけると
どうしても放っておけなかった私は
その子も中にいれてみないか聞いてみました。

すると、


チームメイトは…

『あー…、里美(さとみ)?
やめといた方がいいよ。
あの子性格悪すぎだから、変なことに巻き込まれないうちに避けた方が身のためだよ。』



まるで疫病神を追い払うように、
里美さんを“否定”しました。


私はもう一度
里美さんを目にして見ました…。


すると、
たまたま里美さんと眼がかちあい
彼女の瞳から感じる
“孤独”を目の当たりにしたような気分になりました。

里美さんの眼には光がなく、
ただひたすら助けを待ってるような気がして、
私が救ってあげなきゃと思いました…。


だからチームメイトを降りきってまで
里美さんのもとへ私自ら近づきました…。


『こんにちは、私は転校生の黒川瑠那。
貴女の名前は何て言うの?』

出来るだけ優しく、柔らかな口調を心掛けながら、里美さんに言いました。



『……さと…み。』


とてもか細い声で今にも消えてしまいそうで、
一瞬で里美さんの魅力にひかれました。





そして、










意気が合う私達は
“親友”になりました…。





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