君のために歌う歌

「例えばどんな?」


静かに言ったのはやはり陽翔だった。



宙子は恥ずかしい気持ちと嬉しい気持ちで顔が赤くなっていないか心配だった。



「えーと…」


「メイド服とかかい?」



一番前の席のメガネのオタクっぽい男子が言った。



「メイド服全面賛成!!!」



それに食いついたのは郷愛だった。



「オタクキター!!!!」



悪意なく、クラスの盛り上げ役の男子が言うとクラスはドっと笑いに包まれた。



やっと、緊張がゆるんだ空気が流れる。


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