君のために歌う歌

郷愛がいなくなり、一人でノートを書く宙子の手元に、誰かがスッと紙を置いた。




見上げると陽翔だった。



もはや反射で顔が赤くなる。




「衣装の紙。」



ただ一言だった。



 
しかし陽翔は、いつでも目を見て話してくる。



 
「あ、分かった。」




宙子は淡白に答えてしまい内心後悔した。




陽翔は微笑むと自分の席の方へと帰っていった。




宙子は、あまり話さなくてすみホッとした反面、残念だった気もした。




陽翔が置いていった紙は、二つ折にされていた。


宙子はそれを開く。

中には
< 109 / 303 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop