君のために歌う歌
陽翔は薄く目をつぶり、熱心に歌っているので宙子には気づいていないようだ。




普段より甘いセクシーな声だ。

しかし爽やかでもある。




この暑い中、陽翔は気持ち良さそうに、その薄い唇を大きく開けて歌っていた。




切り株に座っているからか、周りに鹿やうさぎやリスなどの森の動物たちが集まっていそうな雰囲気だ。







歌っているのは、宙子の知らない歌だった。




もっとも、宙子はほとんど音楽を聞かない。

まして、洋楽なんてサッパリだ。





しかし、切なくて綺麗な曲だと思った。


forever、と、will beだけが聞き取れた。





切なくて優しい、foreverだった。
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