君のために歌う歌
陽翔が歌い終わり、宙子は心の中で拍手をした。





「ひろ。」






名前を呼ばれて宙子は飛び上がった。







「き、気づいてたんだ……。」



名前を呼ばれては、無視できない。



宙子は仕方なく、苦笑いをしながら気まずそうに陽翔の前に姿を現した。




「ひろに気づかない訳がないでしょ?」



陽翔は微笑んだ。





宙子が恥ずかしさか気まずさか暑さか、微妙な笑みを浮かべながら陽翔に近づこうとした。


すると、陽翔は右手の手のひらをこちらに突き出し、ストップをかけた。




宙子の頭にクエスチョンマークが浮かぶ。


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