君のために歌う歌
「来ないで。」



陽翔は手を前に出したまま言った。



宙子は意味がわからなくてたじろいだ。




夏の太陽はすっかり高くなり、青い空に蝉の声が響いていた。





「な、なんで?」



宙子は何とか聞いた。



陽翔は真剣な顔で、口を真一文字に結んでこちらを見ている。


そして、言った。
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