君のために歌う歌
「ここ、蚊が死ぬほどいるんだ。」





へ?



宙子は目が点になった。



それから、緊張感が解けたせいか思いっきりあはははと笑い出した。




「ヒロ…真剣だから何かと思ったら、蚊だったんだね。」




そう言ってまた笑った。

 

「笑わないでよー俺死ぬほど刺されたんだから。

ひろまで巻き込まれないように気を使ってあげたのにー。」




陽翔はそう言いながら立ち上がると、アコギをギターケースにしまった。


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