君のために歌う歌
予備準備室Aは、光が入りにくい北側に位置している。



日当たりが悪いので少しカビ臭く、冷たく湿った空気が流れている。




宙子は鍵(同好会の会長として特別に預かっている)をあけ、室内に入ると、カーテンを開いた。




それでもやはり日差しはほとんど入らなかった。



入口に立ったままであった陽翔を招き入れる。



「わぁ涼しいね。」




ギターをドアにぶつけないように身をかがめて入ってきた陽翔は嬉しそうだ。






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