君のために歌う歌
「ひろぉ〜……」




陽翔が甘えるような泣きそうな声で宙子を呼んだ。


宙子はハッと我に返る。



「な、何どうしたの?!痛いの?」



思わず小さい子に話しかけるように言ってしまった。




「背中の真ん中、刺されてるみたいなんだけど、全然届かないんだ助けて……」



宙子はまたプッと笑ってしまった。



「笑わないでよー。」




「いいよ、塗る塗る。私に手伝える事ならなんでもするよ。」



「ほんと!ありがとう!」





陽翔は嬉しそうに、宙子に薬を渡すと、バッと来ていたポロシャツを脱いだ。
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