君のために歌う歌
宙子は面をくらった。




なんてこった、脱ぐなんて。



予備準備室Aの涼しさでは足りないくらい頬が熱くなった。



そして背中に薬を塗るなんて……



チューブを持った手が震えていた。




陽翔は宙子に背中を向け



「ふくれてるとこ分かる?」



などと無邪気に言っている。




(この人、この状況何とも思ってない……!)



宙子は変に絶望した。

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