君のために歌う歌
「ほ、他はないよね?」




宙子はこんな逆羞恥プレイは早くやめたいと思いながら言った。



「うーん、ついでに腰のとこも塗ってくれない?」




見ると、確かに腰も刺されていた。





もはや黙って塗る宙子。




「ごめんねーこんなことさせちゃって。」




「ううん……ヒロの血は美味しいんだね。」




もう一箇所、首が刺されているのを見つけた宙子は、

(ここも塗ってあげるか)

と薬をまた指にとり、顔を近づけた。





その時、


「ひろも試してみる?」


陽翔は突然後ろを振り向いた。




その顔は余りに近く、宙子は真っ赤になって固まった。



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