君のために歌う歌
「ひろはいいなぁ。郷愛ちゃんと、高橋…って、章のことだよね?二人も仲のいい友達がいて。」



羨ましいよ、と陽翔はギターケースを背負った。



帰る気なんだろうか。


宙子は、思わず引き止めた。



「ひ、ヒロ!お茶あるんだけどちょっと休んでいかない?」



陽翔はキョトンとした。


宙子も、自分が引き止めたりするんて、自分で驚いた。


「ぺ、ペットボトルなんだけど、この部屋、冷蔵庫あるから。」



陽翔は宙子の必死な様子にフッと頬をゆるめて言った。


「終焉の地なのに?」


そう、意地悪そうに。

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