君のために歌う歌
「ひろは、幼なじみがいて、仲良しの友達がいて、ほんと羨ましいよ。」



羨ましい?



宙子の頭にクエスチョンマークが沢山浮かぶ。




私のどこが羨ましいんだろう。



顔も良くなければ、成績も身長も性格も何もかも普通。


普通より悪いかもしれない。


コミュ力が高いわけでもなく、特技があるわけでもない。





(背が高くてイケメンで、勉強も運動も出来て、みんなから好かれていて歌もうまくてギターも弾けるなんて、そんな素晴らしい人なかなかいないよ。)





そんなことを素直に言える訳もなく、宙子は




「私に羨ましいところなんて何もないよ。

それに、ヒロは友達いっぱいいるじゃない。」




淡白にそう言った。




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