君のために歌う歌

夏祭り!

郷愛とは、15時頃に待ち合わせの約束をした。


花火が19時30分からだから、あまり早く行くと疲れるだろうという予測の元だ。



宙子は母親に浴衣を着付けてもらった。


薄い水色の地にピンクの朝顔柄の、どこにでもありそうなありふれた浴衣だ。


(もっと可愛いの買ってもらえばよかったな…)


そう思いながら、慣れない手つきで、髪の毛をアップスタイルにした。

 


おばあちゃんは


「可愛いねぇ。」


と言ってくれた。




家を出ると、夏の午後3時はまだまだ昼間だった。



外に出ただけで汗が出る。




(着崩れないようにしなきゃ。)



宙子はいつもよりも歩幅を狭めて静
々と歩いた。
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