君のために歌う歌

「高橋ごめん!郷愛帰っちゃったし私も帰るね!!」


宙子は顔を伏せて、人波の中へ走り出した。



「え?あ、おい!!!」


引き止めようとする高橋の言葉を振り切った。



人波をぬって、ひたすら走る。





今は誰とも話したくない。






陽翔に、彼女が、いたなんて。



分かっていたはずなのに。



とても、胸が痛い。
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