君のために歌う歌
宙子がかき氷を食べ始めたのを確認すると、高橋も自分のかき氷、ブルーハワイを食べはじめた。




「懐かしいなこの神社。


覚えてるか?小4の時のこと。



学校の花壇がめちゃくちゃにされてさ。


それを、理由もないのにみんなが俺のせいにしてさ。


ほら俺、背低かったし、頭悪いし、親父もいないし、いじめとは言えないけどちょっとハブられてたじゃん?」





花火が、上がっては夜空に花を咲かせて消えていく。





「俺はね、別にいいや、と思ってた。


バカにするならバカにしとけって。



だけどさ、宙子が帰りの会で、



『花壇をめちゃくちゃにしたのは、高橋くんじゃないです、私毎日見てるから知ってます、やったの金子くんです!』


って、淡々としてたけどさ、涙目で、震えながら言ってくれたじゃん。」

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