君のために歌う歌

宙子の目は涙目で少し腫れて、唇はりんご飴で少し赤く染まっていた。




高橋はそんな宙子をじっと見つめてから、また正面を向いた。




大輪の花火がパッと咲き、バラバラバラと消えていく。




「金子は先生に呼び出されて、反省文を書かされてたのは知ってるだろ?


だけどな、それだけじゃなくて、俺、金子と俺をハブってた奴らをここに呼び出したんだ。」




高橋は鳥居から続く石畳を見つめた。

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