君のために歌う歌
「つ、次はヒロの番だよ!!」



宙子は逃げるように陽翔を急かした。



「はいはい。」


陽翔は子供をあやすようににこやかにひまわりの前に移動した。



「ヒュー!イケメンは立ってるだけで絵になるねぇ!」



郷愛は嬉しそうにシャッターを切り続けた。


陽翔は写真を取られることに慣れているのか、少しずつポーズや表情を変えていた。



その様子はさながら、ファッションモデルの撮影のようだった。



見とれる。


ほう、とため息が出てしまいそうなくらい、陽翔はかっこいい。


その茶色い少しクセのある毛も、



明るさの奥に静けさを携えた色素の薄い目も、



半袖から伸びているたくましい腕も、



何もかもが、美しかった。
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