君のために歌う歌
「ふぇ?」




宙子は思わず変な声が出た。


「ひろももちろん来てくれるよね?



陽翔は宙子をまっすぐ見つめてそう言うと、ニコッと笑った。



「え!い、行く行く!ちょっと待ってねお財布……」



そう言って財布をだそうと鞄を手にした宙子の手を陽翔は掴み、チケットを握らせた。



「お金はいらないよ。来てね!」


「え、でも私写真も取れないし何もできないよ…」



尻すぼみに言う宙子の頭を陽翔はポンポンとたたいた。



「ひろくらい、招待させてよ。ね?」


「……今度何かお返しするね。ありがとう。」



宙子の言葉に陽翔は意味有りげに微笑んでから、高橋の方を向いた。
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